2008年02月22日

加太春日神社



 加太春日神社(鳥居と拝殿)

 加太春日神社は、和歌山市加太のほぼ中心地(戎丁)の海に近いところにあり、昔から漁業の盛んな土地の守り神として信仰をあつめている。  

この神社には記録文書は全くないが、他からの資料によると、御神徳の篤い、また神格の高い神社であったという。
 
 社伝によると、役行者(飛鳥時代の山岳修行者で修験道の開祖者)が行場として「友ヶ島」を開いたときに、当社を守護神としたといわれており、そのため、現在でも聖護院門跡が山伏僧とともに毎年5月10日に参拝することになっている。
 周辺の住民の人々はこの日に「海老」を神前に供え宴に供する習わしが受け継がれており、有名な「えびまつり」が盛大におこなわれている。
 
現在、例大祭は毎年5月20日に、本渡御は5月第3土曜日に行われ獅子舞の奉納などがある。




 春日神社本殿(昭和6年国指定文化財)と掲示板

 現在の本殿は、慶長元年(1696)の建立と伝えられ、社殿は檜皮葺、一間社流造で、基盤の彫刻には多種多様であるが、恵比寿、貝、海老などの海にかかわる題材が多く見られ、海村の神社をよくあらわしているといえる。
 この社殿は桃山時代建築様式の特徴を現し、もとは極彩色の豪華なものだったらしいが、明治初年の神仏分離の際に彩色を洗い落としたといわれている。

 


道標(みちしるべ)と旧家
加太の町並みは古い。旧紀州街道の分岐点(加太消防署前)に残されている御影石製の道標には、      嘉永2年建之(1849) 「 右わかやま 左あわじみち 
との刻字がよみとれる。道標のとおり左に行くと春日神社の前を通り港に出ることができる。
昔から淡路島へ渡る航路があったのだろう。 
   
 また、この道標の近くに旧家で知られた「向井家」がある。
この向井家は、奈良時代から続く旧家と知られ、いまでも行者達が春日大社に参拝したのち、この向井家に宿泊する習わしとなっており、現在の当主は42代目にあたるという。  


Posted by jiiyasan at 21:38Comments(2)